◆希望が丘光の祭典~中村敬氏トーク&ツアー 写真レポート
すでに、こちらでご紹介しましたが、希望が丘光の祭典のアート・ディレクションを担当した中村敬氏による「作家トーク&作品ツアー」。予定通り2015年1月17日に、Mana Houseで開催され、20名近くの人が集まりました。中村さんは、「谷中看板プロジェクト」で商店の看板を学生たちに作らせたり、新潟市で和紙づくり(写真)に取り組み「大地の芸術祭」に参加したりするほか、近年では、光のアートでマリンタワーを照らすなど、光を使って街を演出する活動を積極的に手がけています。
これはヨコハマ創造都市センター(旧第一銀行横浜支店)をライトアップしたときのもの。
お話は、2008年に始まった南区の「大岡川アートプロジェクト」の立ち上げ時のエピソートが中心となりました。1回目では思うようにはいかず、人間関係をつくり、街の人を巻き込み、調整し、積み上げ、うまくいくようになるには、やはり3年はかかるというお話が印象的でした。これに限らず中村さんは、そうした心づもりで、じっくり取り組んでいるとのこと、素晴らしいと思います。
その後、中村さんの案内で、希望ヶ丘の光のアート見学に。まずは、相鉄ローゼンです。
壁面にさまざまな模様が映し出され、刻々と変化していきます。ワークショップで描いた子どもたちの作品も多数登場し、後援している横浜FCのマークやキャラクターも、ちらっと出てきます。
ここは、相鉄ローゼン右脇の階段です。
ローゼン脇の希望ヶ丘協会への階段や、希望ヶ丘高校通りの入口付近は、このようにライトアップならぬライトダウンによって、次第に虹色に変化する光が、道路の表情を変えていくのが楽しめます。「会社からの帰り道に、何かを感じてもらえれば」と中村さん。
希望ヶ丘駅の駅舎壁面には、相鉄ローゼンと同様に、プロジェクターによるアートが映し出されています(2015年1月のトップページ写真も参照)。
駅から出て正面にある希望ヶ丘センタービルには、光の柱が3本、このイベントのシンボルのごとく、すっくと伸びています。
シャッターが多い希望ヶ丘ショッヒングセンター内は、レーザー光線も織りまぜながら、ちょっと幻想的な雰囲気に。時間になればスイッチを切ってくれる人が見つからず、センサーを使ってなんとか解決した苦労談も。
このプロジェクトは、区の発案で、希望が丘商店会に提案された初めての試み。当然、限られた条件、限られた予算の中で、使えるプロジェクターも少なく、地元の側もすぐには理解できないなど、何かとご苦労は多かったようです。
しかし、期間中も、少しずつ手を加えて改良しているとのこと。中村さんは「作家のできることは、きっかけづくりに過ぎない」といいます。今後、地元の人たちが、このプロジェクトを、どう受け止め、どう育てていくのかがとても楽しみです。
なお、当日は、タウンニュースさんも取材に来て、2015年1月29日発行号に掲載されました。→記事
ちなみに、ツアー終了後は、トーク会場となったMana Houseで、有志による交流会も開かれました。シェアキッチンですから、みんなでつくるのが原則ですが、この日は、特別にご配慮いただき、Mana House代表の笹尾さんが手料理を準備して下さいました。おかげさまで、おいしい料理に舌鼓をうちながら話に花が咲き、また新たなつながりにより、次なる展開が出てきそうな予感に満ち満ちていました。