横浜瀬谷八福神めぐり◆後編/瀬谷駅北側の4寺

先日「瀬谷八福神めぐり」で、瀬谷駅南側の4寺をレポートしましたが(こちら)、2週間後の2016年2月7日、北側の4寺も行ってきましたのでレポートします。

前回はスタートが遅く、夕方は結構寒かったので、今回は、昼前に家を出て、瀬谷駅北口のそば屋「いしうす」で腹ごしらえして、12:30頃にスタートできました。

駅通路にあった「瀬谷八福神めぐり」の貼り出しやノボリは、2月に入って、もうなくなっていました。そういえば「駅からさんぽ」のパンフレット(こちら)に紹介のあったお店特典(「いしうす」もあり)も、1月末で終了していました。まぁ、指定メニューを選ばなければ特典がつかない内容だったので、さほど惜しくはありません。

むしろ、前回せっかく4カ所集めたスタンプの続きが押せるのかが、ちょっと心配でしたが、先に結果を書けば、全部のお寺にスタンプは置かれていて、通年押すことはできそうです。ちなみに、瀬谷駅の下記のスタンプは、1月末で片づけられていました(頼めば、たぶん、まだ押させてもらえます。はい、押させてもらいました)。



 
さて、広々とした瀬谷駅北口広場を抜け、突き当たりにあるジョナサンの前の道を右に道なりに行き、瀬谷小学校を過ぎたところに1番目の長天寺があります。1394年開山の臨済宗建長寺派の立派なお寺です。



 
ここは、看板によると、このお寺の客殿に1899年から1916年まで、瀬谷村の役場が置かれていたそうです。八福神では、七福神に加えた八福目のダルマ大師が祀られており、他の七福神とは違い、中の様子がよく見えました。七転八起で縁起が良く、きれいに飾られています。



 


 
お次は、ルートではもと来た道を戻り、海軍道路をずっと北上するのですが、事前に、このお寺の北側に「横浜市内でもっとも急な坂」があるという情報を仕入れていたため、そこを探すことにしました(こちらに出ています)。住所は、瀬谷区相沢4-15とわかっていたので、すぐに見つかりました。斜度は20度とのこと。



 


 
たしかに急といえばかなり急ですが、同じくらいの角度の坂はほかにもありそうな気がしました。旭区中尾にこれに匹敵する急な坂がありましたので、今度自分で測ってみようかとも思います。

さて、2番目に目指すお寺は日蓮宗の妙光寺。瀬谷区でもかなり北西の外れにあり、ルートとしては、海軍道路を3kmほど北上してから西から回り込みます。海軍道路は桜並木で有名ですが、その時期に限らず、大昔に車で1回通過したかしないかくらいで、歩くのは初めてです。その広々感にはびっくりしました。



 
幹線道路を歩くのは、散歩としてはあまり気が進みませんが、歩道も広く、「いぬのおみせ」なんておもしろい店があったり、ハマッ子の直売所があったり、広々と見渡せる基地跡の景色も意外に飽きません。西は丹沢の山々もよく見えます。



 
ときに、この海軍道路は、実は鉄道の線路跡だったとはご存じでしたか? 1940年頃、海軍がこのあたりに火薬庫や補給工場をつくり、瀬谷駅から弾薬や軍事物資を各施設に運ぶために、引き込み線の線路を敷設したのです。戦後、線路を撤去して道路になったため、当初は「引込線道路」と呼ばれていたようですが、当時の横浜市道路局が、1978年に「八王子街道」「厚木街道」「中原街道」「かまくちみち」など愛称を定めたときに「海軍道路」と名付けたそうです。

さて、海軍道路を「上瀬谷小学校東側」まで進み西に左折、瀬谷柏尾道路を横切り次の信号で南に左折すると、ほどなく2番目の妙光寺があります。八福神は打出の小槌を持っている大黒様です。



 


 
このお寺は日蓮上人が宿泊したこともあるという古刹で、県の重要文化財になっている梵鐘もあります。この梵鐘には、<瀬谷を治め力持ちで知られた山田伊賀守が、隣りの恩田村の万年禅寺の通周和尚と賭けをした法論で勝ち、引きずって持ち帰り妙光寺に寄進したもの>との民話が残されています(こちら)。



 
さらに、妙光寺を出て南下、北向地蔵尊を右折後、すぐ左折すると、まもなく3番目の浄土宗の善晶寺があります。



 
八福神は恵比寿様。また、どこのお寺にもご神木など名木がありますが、ここは、タブノキとイチョウが横浜市の名木古木に指定されています。また、名前はわかりませんが、境内中央の木も見事でした。



 
この後4番目の徳善寺までは2km近く、ちょっと長め。しかし、そのルートは「かまくら古道」に当たり、途中古いお屋敷やケヤキ並木、瀬谷神明社や日枝神社など、見どころ満載です。とくに日枝神社のくケヤキはひときわ高く約40メートル。鳥の巣だけでなく、見慣れないオウムみたいな鳥も止まっていました。



 


 
曹洞宗の徳善寺に着いて驚いたのは、2階建てで2体の仁王像に守られた立派な山門があること。「平成門」と書かれていますが、平成時代になって作られたものではないことは明らか。由緒ありそうな山門です。



 


 
中に入ると右に道元禅師、左に瑩山(けいざん)禅師(横浜の総持寺を開山)の像があります。瀬谷八福神は毘沙門天。歌碑もありますが、達筆過ぎて読めません。なお、このお寺は、萩の寺としても有名で、境内には100本ほどが植えられています。見頃は9月中旬のようです。



 
この徳善寺は、瀬谷図書館の裏手に当たり、瀬谷駅からは1km弱で15分ほど。図書館に来たついでに立ち寄って楽しむのも一興。

以上、8寺を回って感じたことは、八福神は縁起もの?として、巡るきっかけであって、それ以上に、鎌倉や京都でなくても、これだけ立派で見応えのあるお寺が地元に少なからずある、ということでした。これを機会に、今後はもっと地元再発見をしていきたいと、つくづく思いました。【了】