手しごと工房「結」の「草木染め講習会」に行ってきました。

2012年5月23日(水)に、5月号さわインに掲載させていただいた「草木染め講習会」に行ってきました。手しごと工房「結」さんは裂き織りのお店ですが、草木染めのストール等も販売されています。お客様も3名いらっしゃり、計4名で講習のはじまりです。

講師の先生は、お店に置いてある草木染めの商品を作成していらっしゃるノブコ先生。陽気でおしゃべり好きな先生です。講習料金3000円と品物代1000円をお支払いし「草木染め」の解説プリントをいただき、まず説明をうかがいました。

草木染めとは、人工的に合成したものでない染料で、布や紙や糸を染めます。ベニバナの花びらや、アカネという植物の根、カッチ(マングローブを作る植物)と呼ばれる樹液や、キハダの木の皮などの植物によるものです。

■今回の題材は、「クローバー染め」のシルクストールとカッチによる鉄媒染の木綿の絞り布の作成とベニバナ染め(赤)。

先生が、クローバーやナズナ、カラスノエンドウを取り合わせて鍋で煮ておいて下さいました。(炭酸カリウムを入れて強火で20分煮る。その後クエン酸を入れて中和させてあります。)茶色の液体になります。

私たち生徒は、白色のシルク布を折りたたんだり、貝や石を包んで紐で縛ったりして、準備します。紐をほどいた時に、独自の柄ができます。縛り方について先生は「自由でいいのよ~!」と陽気におっしゃいました。(シルクの布は染まりやすいよう、何度も洗っておいたものです。)

クローバーの煮汁を火にかけ、菜箸でかきまぜながらカセットコンロで30分位煮ます。(鉄やアルミなどの鍋は化学反応をするのでだめ。今回は大きなボウルを使いました。)

そして、火からおろしたら、水洗いした後、媒染です。

水を入れたバケツにミョウバンを入れ(1リットルに3グラム位)、布をひたし、動かしながら30分位浸けて水洗いします。

今回は、あまり色が出ませんでしたので、再度、煮るところから、繰り返し。PH(ペーハー)用紙でPHを測って中和しているか、弱酸性になっていれば、黄色か少し緑色を帯びた灰色になるそうです。

うっすらベージュに染まった布。縛った紐をほどいてみると・・・波模様や、丸い模様など、皆さんそれぞれ異なった柄が現われました。どんな柄が出てくるか、お楽しみの時間ですね。洗ってお店の前で干しましたが、すぐに乾きました。

■クローバー液で煮ている間に、別の作業。市販のカッチをお湯で溶かして、木綿の中国で絞った布(約30㎝四方の市販品の布)をカッチ液に浸しました。こちらも100℃で30分位煮ます。裂き織りの吉成先生にお手伝いいただきました。その後洗って、バケツの水に木酢に鉄をいれたもの(木酢酸鉄液)少々を入れたところに30分ほど浸し媒染すると、しっかりと黒っぽく染まりました。

この中国の絞り布は家に持ち帰り、乾かしてから縛られた糸を丁寧にほどいてみましたが、すごくしっかり縛られていて、布を切らないようにほどくのは大変でした。しかし、現われた柄は、さすが売り物。強弱のついた花柄でちゃんと模様になっているではありませんか。こんな風に出来るようになるには、そうとう修行が必要ね・・・と考えさせられました。渋いインテリアに合いそうです。お弁当包みにも良いかな。

■更に、ベニバナ染めも体験させていただきました。赤く染めたい場合には、下準備として、ベニバナの花びらを水に浸けておき、黄色い色素をとりさります。2回位水を換え、黄色い水をとります。こちらも先生が準備しておいてくださいました。

赤い色を出すにはこの花びらを布の袋に入れたものを、炭酸カリウムを入れた水に浸けます。(炭酸カリウムはアルカリの物質で、草木灰のようなものですが取扱いには注意。)

ゴム手袋をしたてで布袋から茶色い液体がもみだせたら、そこにクエン酸を入れます。猛烈に泡がふきあがるのがおさまったら、布を入れて染めます。今回は熱は加えませんでした。

まるで科学の実験のようでドキドキ。オマケで途中で出た黄色の液体でも染めてみましたが、どちらも綺麗な発色にウットリです。ベニバナの染色力はすごいです。ストールは二色使いで合わせて使っても良い感じです。追加料金500円で、布マフラーSを、希望者に分けていただきました。

出来た品物をお土産にいただいて帰れるのがうれしいですね。

■私のような初心者でも体験できる「草木染め」。どんなものかちょっと知りたい方、既に知識や経験があり、直接先生に質問してみたい!という方は毎月定例で講習会があるそうなので、参加してみてはいかがでしょうか?次回の題材は、先生がまた違うものを考えてくださっていますよ。

なお、媒染で使用したミョウバンなどの分量は、その日の材料に左右されますので、参考程度になさってください。タマネギや西洋アカネで染めたものもあります。下左写真はお店の商品です。

●手しごと工房「結」
住所:旭区笹野台1-28-6 広宣ビル
電話:045-367-0100
営業:10時~18時
定休:水・木曜日(他に臨時休業あり)
※草木染めの先生は常駐はしていません。
※講習会は毎月第4水曜日の午後2時~5時。予約は前日までにお電話で。