意外に近くて気軽に大自然を満喫できる丹沢の大山(おおやま)登山

大した予定もなく天候も優れなかったゴールデンウィーク。子どもの日の前日、「明日は好天」との予報を聞き、思い立って大山に登りに行くことにしました。子どもの頃登った記憶がありますが、それ以来です。

丹沢・大山フリーパスのパンフレットをもらっていたので、見ると二俣川駅発でなんと1290円。大山ケーブル付でも1950円。買うなら、現地に着く前にケーブルを使うかどうか決めなければなりません。ちょっと悩みましたが、ケーブルは使わず挑戦することに。フリーパスは駅の券売機で当日でも買えました。

二俣川駅8時3分発に乗り8時24分海老名着。8時30分発の小田急線小田原行きに乗り換え8時40分伊勢原着。ここからバスで30分で登山の起点となる「大山ケーブル」(終点)に着くはず。しかし早め時間だったせいか8時45分発のバスは9時5分には着いてしまいました。なんと、二俣川駅を出てからほぼ1時間で登山開始です。

山の新緑が美しく輝いています(写真左)。豆腐料理の店や旅館・土産物屋などがひしめく大山参道を抜けると、大山ケーブル切符売り場に着きます。その左側の道を進むと、「右男坂・左女坂」の分岐が。疲れて段差のある下りはきつそうなので、元気なうちに男坂を登り、帰りは女坂で楽に下りようと、来る途中決めてきました。たしかに男坂の石段のひとつひとつは急ですが、キレイに整備され、ゆっくりのぼっても40分くらいで女坂との合流地点に着きました。

数分上がると阿夫利神社下社です。参道の階段を登ると、眼下にパノラマが広がります。江ノ島はもちろん、伊豆半島まではっきりと見えていました。神社も立派なつくりで、なかなかなもの。右手に大山名水が汲める神泉もあり、飲料を汲んでいくのがおすすめです。

ここからは、ケーブルで登ってきた人と一緒に登山開始。さすがに賑わっています。家族連れから、子どもばかりの集団、山ガールやアベックから老夫婦まで、まさに老若男女が入り乱れています。靴は、スニーカーの人と、トレッキングシューズの人は、ちょうど半々くらいでした。杖を持っている人も結構いました。

山頂までは「〇合目」ではなく、こまめに「〇丁目」の石碑があり、後どれくらいで着くかわかります。下社が1丁目で、山頂はなぜか28丁目です。途中、富士山のビューポイント(20丁目)や相模湾まで見通せる休憩所(12丁目)はもちろん、夫婦杉(8丁目)、ぼたん岩(14丁目/写真左)、天狗の鼻突き岩(15丁目/写真右)などもあり楽しめます。

たしか、10時10分くらいに下社を出発し、11時30分くらいには山頂に到着しました。かなりの賑わいですが、裏側(奥)の電波塔のあるあたりまで行くと多少空いており、富士山の絶景を正面に見ることができます。頂上の阿夫利神社本社は、さすがに下社に比べるとこじんまりしていました。お守りを買うなら、下社の方がバリエーションが豊富でおすすめです。富士山と違い「頂上」と書いたお守りはないようでしたので。

この後は、すぐ下りるのではなく、東にお決まりのコースである見晴台を目指します。ほとんど下りで石段もあまりなく、あっても木組みの階段ばかりでしたが、疲れてきたのか、登りの80分より長く感じました(標準時間は60分)。見晴台からの相模湾の大パノラマは、すでに折々で見てきたものの、この日は相変わらず見通しが良くキレイでした。

さらに、二重滝に向かいます。途中左側は、急斜面が続き滑落したら危険です。実際、死亡事故現場の標識もありましたが、ふざけたりしていなければ、まず大丈夫でしょう。二重滝は、それなりに迫力があり、滝の音は疲れを癒してくれます。そばの祠には、青銅製ですが狛犬ならぬ狛竜?が左右に鎮座していました。

最後に下社に戻り、予定通り女坂を下ります。なんとなく階段より坂道をイメージしていたのですが、男坂同様、ほとんどが石段続きで、石段毎の高さが気持ち低いだけで、歩く距離が長い分、かえって疲れを感じました。ただ、途中「女坂の七不思議」というのが7カ所あって楽しめます(写真左)。また、中腹の大山寺(写真右)が、予想以上に歴史がある立派なお寺で驚きました。

長く感じた女坂を下りきり、一服してバス停に着いたのが16時過ぎ。バスは来ていましたが、次のバスを並んでいたのが10人くらいだったので、座っていこうと思い待っていたら、直ぐにきて16時12分発でした。バスは20分間隔と聞いていたのですが、帰りは増発しているのかもしれません。そんなこんなで、まだ十分明るい17時15分頃には、二俣川駅に戻ってこれました。

運動不足解消にはもってこいですね。足に自信のない人は、往復か片道ケーブルを利用してもいいでしょう。ただ、石段が多く、段差や勾配も急なところが多いので、靴はトレッキングシューズの方が安全かつ疲れず、杖もあった方が楽だと思います(私はなしで行きましたが)。

最後に、丹沢・大山フリーパスは2日間有効。「おっ、これは日帰りで2日使えるのでは?」と思いましたが、やはり、電車区間は、発駅と「本厚木~渋沢間」駅の間の往復1回限りとの制約がありました。それでも多少安くなり、大山だけでなく、七沢温泉やヤビツ峠などに行くのにも使えるので、うまく活用すれば結構使い手はありそうです。

ちなみに、大山登山は、多くの人がレポートを書いており、このレポートが一番詳しく、参考になりました(この方は、なんと伊勢原駅からバスに載らずに全行程を歩いています)。