「ハマの有名人によるビブリオバトル」~ “横浜読書百貨展”レポート

横浜市では、議員立法により2014年4月1日に、「横浜市民の読書活動の推進に関する条例」が施行され、「横浜市民読書活動推進計画」が策定されたのをご存じですか? これに伴い、横浜市教育委員会主催により、2014年11月2日(日)に、パシフィコ横浜で「横浜読書百貨展」と題するイベントが開催され大盛況でした。開場時間は、12:00~16:00のわずか4時間でしたが、関係者によると1000人くらいとの予想が3600人くらい来てしまったようです。

作家山崎洋子さんによる講演会「知られざる横浜ミステリー」、「ハマの有名人によるビブリオバトル」、世界の絵本お話広場、事前予約による各種ワークショップ、「読書活動団体」「学校司書」の活動紹介パネル展示などなど、意外に内容は盛りだくさん。ここでは、ビブリオバトルを写真中心で紹介します。

 
司会進行は、最近ビブリオバトルの伝道師として活躍している有隣堂(書店)の市川紀子さん。

 
ビブリオバトルとは、立命館大学准教授の谷口忠太三さんによって考案された知的書評合戦のことで、公式ウェブサイトもあります。まずは、ビブリオバトルのルールの説明です。下記写真をみていただければ、よくわかると思います。


 
そして、本日の5人の出演者と取り上げる本の紹介です。内容は、実に硬軟取り混ぜたテーマの本となっています。


 
①トップバッターは、プロサッカーチームの横浜FCを運営する(株)横浜フリエスポーツクラブ執行役員事業統括部長の藤原兼蔵さんです。紹介した本は『Dear KAZU~僕を育てた55通の手紙』(三浦知良著/文藝春秋) 。タイトル通り、KAZU選手にあてた、さまざまな人からの手紙が収録されている本です。


 
②二番手は、横浜の老舗レース店である(株)近澤レース店代表取締役の近澤弘明さん 。紹介した本は『ローマ人の物語1~43』(塩野七生著/新潮社) 。西欧の歴史に興味をもったことから、はまってしまったそうです。


 
③三番手は、横浜のご当地アイドル「かんない少女隊」の絵里澤えゆさんです。紹介した本は『雑誌 YOKOHAMA Walker 横浜ウォーカー』(角川マガジンズ)。ご当地売り出しが使命のため、当初「横濱検定」の本を考えたそうですが、他のメンバーが最近他のビブリオバトルで、すでに紹介したため、変えたとのこと。


 
④四番手は、(株)横浜DeNAベイスターズ広報部の村田喜直さん。紹介した本は『週末は田舎暮らし ゼロからはじめた「二地域居住」奮闘記』(馬場未織著/ダイヤモンド社)。仕事とは別に、週末だけ田舎暮らしをするという著者のスタイルにかなり刺激を受けたようです。


 
⑤トリは、横浜市教育委員長の今田忠彦さんでした。紹介した本は『日本人の知的風土』(桜井邦朋著/祥伝社) 。日米両国で活躍した元NASA研究者による比較文化論です。


 
会場は、100人以上の観衆で賑わいました。


 
5人全員の発表と質疑応答が終わったあと、事前に配られた黄色い紙をあげて、自分が読みたくなった本に投票します。


 
5人がステージにあがり、これから投票結果の発表です。


 
1位となった「チャンプ本」は、今田忠彦さんの紹介した『日本人の知的風土』 でした。


 
しかし、今田さんは、主催者ということもあり、受賞は辞退され、次点だった藤原兼蔵さんが紹介された『Dear KAZU』が、チャンプ本に選ばれました。


 
藤原さんには、金一封?が贈呈されました。


 
このビブリオバトル-本との出会いを提供する新しい試みとして、もっともっと広がっていくといいですね。今回のイベントは、旭区のものではありませんでしたが、旭区としても「旭区読書活動推進目標」を策定中で、区内でビブリオバトルが開かれることも期待できそうです(やらなきゃ、やるぞ~!?)。→やること決定!(こちら

 
ちなみに、「横浜読書百貨展」の会場風景も、ちょっとご紹介。手前がワークショップ。奥がパネル展示です。


 
「世界の絵本お話広場」も、賑わっていました。