こだわりの季節メニューも嬉しい蕎麦屋/今宿 増田屋【閉店】
全国にのれん分けで170店舗ほどある増田屋。横浜旭区内では、都岡にあるいまの蕎麦茶屋「藪」の場所が、以前は増田屋でした。逆に、今宿増田屋は、別な蕎麦屋があったところが、10年ほど前に、この増田屋になっています。駅から遠い住宅地内にあるためか、あまりネットでは紹介されていませんが、こだわりの季節メニューも嬉しい庶民的なお蕎麦屋さんです。【閉店しました】
増田屋は、調べてみると創業はなんと明治23年(1891年)。滋賀県人の武久留吉氏が港区麻布で開業。その後明治45年に、新潟県人の古道文次(ふるみち・ぶんじ)氏が渋谷区原宿にのれん分け1号店を開いたそうです。以後、昭和16年には「のれん」も10店舗を数えましたが、戦災でほとんどの店が消失。
しかし、昭和26年に営業再開し、古道氏により正式に「増田屋のれん会」も発足。その10周年時には40店、20周年時には100店の大台を突破。そして、40周年の1996年頃には200店舗に達したようですが、店主の高齢化などの影響でその後減り、現在は170店ほどとのこと。
近隣では、保土ヶ谷区の今井町、瀬谷区の南台にあります。南台の店名は、古道(こどう)と言って、古道文次氏の名前から取っているようですが、店内に入ると、お馴染みの大きな増田屋の看板があるそうです。
さて、増田屋うんちく話はこのくらいにして、今宿の増田屋のご紹介です。場所は、中沢小学校正門前の道を北へ進み、ニュータウン通りと交わった、信号のある小さな交差点の角にあります。バス停では、ニュータウン第4から、第5の方に数分進んだところです。
店内は、そこそこ広く40席くらいありますが、ご夫婦だけで切り盛りしています(右上写真がご主人)。しかも、出前もしており、土日はさすがにアルバイトも頼んでいるそうです。出前は、西は笹野台あたりまでしていますが、お店で食べる方が50円以上安く、なるべくお店に来てほしいとのことでした。
メニューは豊富で、ご飯ものも多数。4月中旬のこの日は、メニュー表にはなく、掲示にだけあった季節限定メニューの「早春天ぷらせいろそば」(900円)を頼みました。大盛りにしてもらおうと思ったら、2色そばにしていて、これはできないないが、量は結構ありますよ、とのことでしたので、他には変えずに注文しました。
実際、蕎麦はそれほど多くはありませんでしたが、天ぷらがたくさん。海老天1本に、タケノコ・アスパラ・菜花など、いろいろな天ぷらが付いていました。これはお得。とても軽くさくっと揚がっています。お蕎麦も、普通の蕎麦のほか、桜花の粉末を混ぜ込んだ桜蕎麦との2種類。しっかりとした腰があり、ほんのりピンクの桜蕎麦も、季節を感じさせる風情があり嬉しいものです。
蕎麦は、北海道幌加内産の玄蕎麦を使用した二八蕎麦。蕎麦つゆも自家製だそうです。ちなみに、ご飯ものも、お米は新潟県魚沼産コシヒカリを使用。そうそう、新潟と言えば、古道文次氏が新潟出身ということもあってか、増田屋の店主は新潟県人が多く、ここのご主人も新潟がご実家だそうです。
5月には、新潟に帰って山菜を仕入れそれを使うなど、今後は、季節メニューを中心に、さらにメニューを工夫していきたいと抱負を語ってくださいました。お店としては、「小分けそば 今宿増田屋」と謳っているので、次回は、小分けそばを食べて見たいと思います。
今宿 増田屋
〒241-0814 横浜市旭区中沢3-27-3 → 地図
TEL 045-361-1617
11:00~15:00/17:00~21:00
木曜日定休