11/30(金)◆江戸文化研究者田中優子さんの「足るを知る」講演会
テレビにもよく登場し、江戸文化研究者として有名な田中優子さんの「足るを知る」講演などが、11月30日(金)に神奈川県民ホール大ホールで開催されます。また、続いて第二部として、田中さんに山崎亮さん(コミュニティデザイナー、京都造形芸術大学教授)らを加えたパネル・ディスカッションも開催されます。
このイベントは、(社)日本建築家協会(通称JIA)の25周年大会の基調講演として開催されるもので、会員でなくても申し込みをすれば無料で聴くことができます。
テーマ:江戸から学び、未来に繋ぐ ~持続可能で幸福な社会のための環境を問う
日 時:2012年11月30日 14:00 ~ 17:00
会 場:神奈川県民ホール 大ホール → 地図
みなとみらい線日本大通駅より徒歩6分
JR根岸線・市営地下鉄関内駅より徒歩15分
内 容:
【一部】基調講演 14:00~15:00
「足るを知る」の江戸時代
講演者:田中優子さん
(法政大学社会学部教授、国際日本学インスティテュート[大学院]教授)
【二部】パネルディスカッション 15:00~17:00
パネリスト:田中優子さん
山崎亮さん(コミュニティデザイナー、京都造形芸術大学教授)
芦原太郎さん(建築家、JIA会長)
申 込:こちらから
趣 旨:
3.11を契機に、国内のあらゆる分野で、従来の価値観を根本から変えるパラダイムシフトの必要性が叫ばれています。この求めに対応するためには社会全体で大胆な発想の転換と多くの技術革新が必要になりますが、建築家にとっても、地域社会から付託された責務と役割を明確にして、それを積極的に担っていくことを通じて、地域の充実と住民の幸福実現に貢献していくことが求められています。
今回の建築家大会は、他分野の専門家、市民、行政と共にこの新たな価値観に基づく街づくりとは何かを考える大会にする予定です。それぞれの地域の歴史、風土等に根ざした美しい国土とは何か、どのようにしたらそれを実現できるのか、本当の豊かさ、幸せを感じるためにはどうしたらよいか、この大会で皆様と共に考えたいと思います。
基調講演に於いて、江戸学を通して人々の絆を基礎とした循環型社会を研究されておられる田中優子さんに、江戸の何が特徴的であって、そのような社会を実現するためには、建築家が他分野の専門家や市民と共にどのように「超えて」行くことが求められるのかについて、講演をしていただきます。
後半は、田中さんの講話を問題提起として、パネリスト自身の主張する視点から、現代の日本社会に潜む問題点を指摘していただき、社会全体が価値観の転換を成し遂げるためにはどういった施策が有効と考えられるのかを議論します。
その上で建築家が「まちづくり」という観点からどういった役割を果たすべきなのか、社会は建築家に何を期待しているのか、という「建築家」に関わる議論を重ねたうえで、そういった社会を目指すために、専門家ではない市民には何ができるのか、専門家と市民、専門家同士はどうそれを「共に超えて」行けば良いのか、という命題に向けて考えます。
【PROFILE 田中優子】
法政大学社会学部教授、国際日本学インスティテュート(大学院)教授。専門は日本近世文化・アジア比較文化。研究領域は、江戸時代の文学、美術、生活文化。『江戸の想像力』で芸術選奨文部大臣新人賞、『江戸百夢』で芸術選奨文部科学大臣賞・サントリー学芸賞。その他多数の著書がある。江戸時代の観点から、現代の問題に言及することも多い。2005年度紫綬褒章。近著に『カムイ伝講義』『未来のための江戸学』『布のちから』。
【PROFILE 山崎亮】
studio-L代表。京都造形芸術大学教授。1973年愛知県生まれ。まちの課題を、まちに住む人たちが解決するための方法を提案する、コミュニティデザインという仕事に携わる。まちに住む人たちとワークショップを行い、その地域の将来を考える総合計画づくりを行う。建築やランドスケープのデザイン、公園や駅前などの公共的な空間を使いこなすためのプログラムの仕組みを考えたり、プロジェクトの計画づくりにも携わる。関わる人が、常にそのプロジェクトを通じて、積極的にまちへと関われるチームを生み出すことを目指している。離島や地方自治体、公園からデパートや駅前、病院など、仕事のフィールドは多岐にわたる。著書に『コミュニティデザイン』(学芸出版社)、『ソーシャルデザイン・アトラス』(鹿島出版会)、共著に『まちへのラブレター』(学芸出版社)などがある。