◆「私が勧めるこの1冊」/たくさんのお便りをいただきました。

「さわイン」紙面で、いただくお便りに次号の「お題」を出すことがありますが、「私が勧めるこの1冊」は書きやすかったせいか、たくさんのお便りをいただきました。以下にすべて紹介いたします。これから読む本の参考になれば幸いです。

●夏目漱石「草枕」
ピアノの鬼才グレン・グールドの愛読書だったから(今宿のTさん)。

●平岩弓枝「御宿かわせみ」シリーズ(文藝春秋)
江戸の大川端(現隅田川)柳橋にある宿(かわせみ)の女主人(るい)と与力の弟で(東吾)との淡い恋と取り物を織り混ぜたシリーズものです(笹野台のKさん)。

●村上春樹「IQ84 BOOK3」
シリアス、ファンタジー、サスペンスと様々な面をもった奥深い物語です。小学生時代の初恋を女性側、男性側両方を柱に、成就させていくストーリー。村上さんの想像力(創造力)には圧倒されます。秋の夜長に、しばし現実を忘れて村上ワールドにはまるのもいいかもしれません(笹野台のSさん)。

●原武史「震災と鉄道」(朝日新書)
東日本大震災で東北、三陸海岸のJR等の鉄道が不通のままになっていますが、復興等「鉄道」の視点から大震災を考える本です(笹野台のTさん)。

●柳田邦男「キャッシュカードが危ない」
最近読んだ本で、とても参考になりました。自分のキャッシュカードは盗まれていないのに銀行の預金口座からお金がすべて引き出されてしまうという犯罪の恐ろしさ実態がわかりやすく書かれています。
(今宿のFさん)。

●芥川龍之介「鼻」
小学3年生ごろだったと思います。初めて芥川の短編集に出会いました。そのなかでも「鼻」の印象は強烈でした。禅智内供の鼻の長さ、その形状とかの表現が面白く、弟子たちにその鼻を持たせて食事をするシーンなどは子供だった自分を抱腹させてくれました。純文学でこんなに面白い本は他には無いと思います(中尾のSさん)。

●「ハリー・ポッター」
全巻読みました。子供が小学校低学年で読み始め一緒に読みました。大変面白く子供は本好きになりました(今宿のTさん)。

●桜井邦朋「寿命の法則」(祥伝社NONブック、平成5年初版)
ちょっと古い(?)本ですが、この本は人間・生命・宇宙について考えさせられる内容で、人が生まれたのは、親がしたのと同じように、子供を生んで育てる(子孫を残す)ことが第一義であることを知るでしょう。中学生くらいからでも読めるような改訂版の復刊を期待します(東希望が丘のMさん)。

●山本文緒「そして私は一人になった」
あるあるそんな生活・・とか、少しだらっとした部分もみえて、安心感や元気をもらえた本でした。思わずニヤッとなる部分もあり(笹野台のYさん)。

●ダン・ブラウン「天使と悪魔」
最近で印象に残っている本です。「ダビンチコード」も面白かったのですが、天使と悪魔の未来科学の世界と、過去の科学者の苦悩がうまくからませていて、わくわくしながらページをめくってました。ダンブラウン氏は人気が高いため、数多くの作品が映画化されましたが、どの作品も本で読んだほうが想像がより広がって面白く、映画を見てがっかりすることもしばしばありました。本はやっぱりいいですね(今宿のUさん)。

●三浦しをん「風が強く吹いている」(新潮社/2006年)
もうすぐ正月恒例の箱根駅伝なので、おススメ。5年前のベストセラーでご存じの方も多いと思いますが、寄せ集めの陸上部が箱根駅伝出場を目指して奮闘します。あまり書くとネタバレになりますが、読んでおけば、実際の箱根駅伝をより楽しめるはずです(中沢のNさん)。

●河口慧海「チベット旅行記」
私の勧めるこの一冊です。100年以上も前に仏教の原典を探すため鎖国下のチベットに旅に出た僧侶の記
録。出版当時は誰も真実とは思わなかったという程、想像を遥かに越える事の連続です!(中尾のNさん)。

●東野圭吾著「秘密」
東野圭吾さんの本は、どれでも面白くて引き込まれますが、「秘密」は最高でした。有り得ないことですが、本当に面白かったですし、ホロッとしました。「宿命」も面白かったですね(中尾のMさん)。

●黒井千次「老いのかたち」(中公新書/760円)
老いの在り方を考える本で、興味深く読みました。著者独特の優しい目線と冷静な観察眼で老いの様々なか
たちが描写されています。老齢化の進む昨今、老いの在り方を考えさせられる珠玉のエツセイ集としてぜひお勧めします(金が谷のSさん)。

●真山仁「コラプティオ」(文藝春秋/税込1800円)
「ハゲタカ」著者による最新小説。震災後にカリスマ総理が現れ、禁断の復興策を提案する白熱の政治ドラマです。フィクションなのに、まさに今の政治状況を重ね合わせてノンフィクションタッチで読めます。圧巻のおもしろさです(本サイト編集担当のT=「さわイン」に未掲載ですが追加しました)。

◆お勧めの本ではないのですが、今年の夏より旭中学の市民図書室を利用し始めました。地区センターほど混んでいない事、人気の新刊本も割と借りやすい事がメリットです。土日の10時~12時しか利用出来ませんが自宅からも近く便利です。最近は大沢在昌の「絆回廊」、重松清の「峠うどん物語」も借りて読みましたよ(今宿のSさん)。

来月のお題は、「わたしの奉仕」です。年始にあたりさわやかな気持ちをお届けしたいと考えます。「出掛けた時は、道端のゴミを拾って歩いています」などボランティアにとらわれず、実行していることをお聞かせください。お便りお待ちしています。