寄付する先を考える~「義援金」と「支援金」

今回の大震災で、多くの義援金が集まっていますが、「義援金」と「支援金」の違いをご存じでしたか? そして、寄付する先として、どこがいいのか考えたことはありますか?

「義援金」は、 被災者に被災の程度に応じて分配される一種の「見舞金」で、日本赤十字社や赤い羽根で知られる中央共同募金会が扱っています。しかし、平等・公正さを期すために、その手続きに時間がかかりがちです。

これに対して「支援金」は、被災者支援のために活動するNPOやボランティア団体へ贈られるお金。団体毎に支援金で物資を購入し被災地へ届けるため、支援金の使い道は、団体によって異なってきます。公正さは必ずしも担保されませんが、緊急度に応じて早く役立てられるメリットがあります。

通常、自分がよく知っている団体があったり、特定分野に自分が関係している場合は、どの団体に「支援金」を送ればいいか、ある程度判断できるでしょう。しかし、そうでない場合の方が多く、たいていの方は、「よくわからないから、赤十字なら安心」ということで、「義援金」として寄付しているのではないでしょうか?

そこで、ひとつオススメの「支援金」をご紹介したいと思います。NPOシンクタンクである環境エネルギー政策研究所(ISEP)が始めた「東日本大震災 つながりぬくもりプロジェクト」です。これは、自然エネルギーの仕組みをパッケージにして被災地に提供することで、<明かり・電源・お湯・お風呂など>を利用してもらおうというものです。くわしくは、こちらをご覧ください。

お金の使い道が極めて具体的かつユニークで、多くの被災者に、文字通り「ぬくもり」を提供できる素敵なアイデアだと思います。何よりも、被災者支援であると同時に、問題を起こしている原発に依存せず、エネルギーを地域で自給する取り組みである点が素晴らしい。

ISEP所長の飯田哲也さんは、日本における自然エネルギーの第一人者。いつも市民の立場で論陣を張っており、とても信頼のできる方です。政府の事業仕分人も務めたこともあります。

ひとつの選択肢として、同じ寄付をするにしても、均等に配られる「義援金」だけでなく、こうした「支援金」も、検討されてはいかがでしょうか?