◆「こんなときだからこそ、おうちで読書」キャンペーン◆
新型コロナウイルス禍で、イベントは軒並み中止となり、外出する機会が減っていると思いますが、こんなときだからこそ、おうちで読書を楽しみませんか?
「さわやかインフォメーション」ではプレゼント企画として掲載しましたが、「さわやかマイタウン」では、一部本はPOPも付けて、より詳しく、気軽に読める本を中心に、ご紹介したいと思います。
◆高橋秀実『弱くても勝てます』(新潮文庫)
希望ヶ丘高校出身のハマっ子のノンフィクション作家の「ひでみね」さん。どことなくとぼけた脱力系の作風を、毒舌書評で知られる文芸評論家(書評芸人との異名も)の斎藤美奈子は、「彼の作品には、いつもどこかでカラスがカーと鳴いているような雰囲気が漂っている」と評しています。本書は、開成高校野球部が、いかに少ない練習を頭でカバーして勝つかを描いた実話で、嵐のニノ主演でTVドラマ化されました。
以下、ひでみねさんの本全部を、まとめて紹介したPOPです(クリックすると大きくなります)。2019年4月に作成したため、最近の2作『パワースポットはここですね』(2019年10月)、『悩む人』(2019年5月)は入っていません。より詳しくは、こちら
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◆青崎有吾『図書館の殺人』(創元推理文庫)
やはり希望ヶ丘高校出身ですが、平成のエラリー・クイーンと称される若手推理小説家です。旭区内在住で、本書は旭図書館を舞台に想定して書かれたことを、単行本のカバーイラストから同図書館司書に見抜かれ、昨年夏、著者の講演会&図書館ツアー(レポートはこちら)が実現したという逸話があります。デビュー作の『体育の殺人』も、やはり地元の母校体育館を想定しているようで、旭区民なら要注目の作家です。詳しくは、こちら
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◆内田樹(たつる)『先生はえらい』(ちくまプリマー新書)
この人ほど、難しいことでも、理路整然と面白く深く書く人はそういません。百冊以上の著書がありますが、どの書も新たな気づきを与えてくれ、目からウロコがぼろぼろ。本書の帯には「何も批判しない教育論」とありますが(これまでの教育論は、たいてい何かや誰かを批判しています)、師弟論であるとともに、ユニークなコミュニケーション論でもあります。詳しくは、こちら
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◆武田美穂『ふしぎのおうちはドキドキなのだ』(ポプラ社)
20年前NHK『おかあさんといっしょ』内のコーナー『やんちゃるモンちゃ』の原作者として名を馳せた武田美穂。本書は、彼女のテイスト満載の絵本です。下記POPでは『ありんこぐんだん、わはははははは』をメインに紹介しています。著者詳細は、こちら。
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◆くさばよしみ=編・中川学=絵『世界でいちばん貧しい大統領のスピーチ』(汐文社)
2012年の国連のリオサミットで、環境危機を訴えたウルグアイの元大統領ホセ・ムヒカ。その名スピーチが絵本になっています。気候変動の今だからこそ、万人必読の書。
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◆森達也『たったひとつの真実なんてない』(ちくまプリマー新書)
著者はオウム真理教のドキュメンタリー映画『A』などで知られ、本書はメディア・リテラシーを高めるために若い人向けに書かれた良書。
この本は2014年に書かれた高校生向けの本ですが、本書に先立ち、2011年には、中学生向けに下記POPの本が書かれています。こちらも評価が高い本で、2019年末には増補新版が出ました(私も今知りました!)。
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◆吉野源三郎『君たちはどう生きるか』(岩波文庫・マガジンハウス)
雑誌『世界』の初代編集長だった著者が、戦中に書いた児童文学の形をとった教養教育の古典的名著。2年前にマンガ版とともに大ブレイク。主人公コペル君と叔父さんの対話が中心で気軽に読めます。
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◆菅野仁『友だち幻想』(ちくまプリマー新書)
人間関係の常識を問い直し、人と人との距離感覚を磨き、つながり上手になるための本。若い人向けに書かれていますが、誰もが一読の価値あり。2008年に書かれた本ですが、2018年4月に『世界一受けたい授業』で又吉直樹さんが紹介したことでベストセラーになりました。
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◆小熊英二『社会を変えるには』(講談社現代新書)
厚い本ばかり出す京極夏彦みたい(!)な著者は、この本も最新刊の『日本社会のしくみ』も新書なのに分厚い! でも量だけでなく質も充実!。2013年の新書大賞受賞作です。
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◆外山滋比古『思考の整理学』(ちくま文庫)
「もっと若い時に読んでいれば・・・。そう思わずにはいられませんでした」という書店員の名POPでブレイクした、気軽に読めるエッセイ集。読者コメントを集めたPOPが下記。
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◆藤間秋男『永続企業の創り方10カ条』(平成出版)
サブタイトルは「100億円企業より100年企業に学べ!」。企業でもっとも大切なことは、実は利益をあげることではなく、永続することなのです。「ういろう」「虎屋」ほか14社の老舗企業の実例も学べます(実は、筆者が編集・執筆に全面協力した本です)。
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◆高木ゑみ『考えない台所』(サンクチュアリ出版)
台所仕事や料理は、センスや考えることは不要。正しいルールを知り習慣化すれは、効率化され時間も短縮され、人生も変わるという有り難い本。
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◆井山夏生『テニスプロはつらいよ』(光文社新書)
ジュニア時代に錦織圭と並び称された関口周一という選手の日々を追い、テニスプロの過酷な現実を、元『テニスジャーナル』編集長が描いた知られざる秀逸なノンフィクション。
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◆真山仁『コラプティオ』(文春文庫)
コラプティオは汚職・腐敗のこと。『ハゲタカ』シリーズで知られる著者が、原発と政治、そして権力を描き、実は2011年下半期の直木賞候補作にも(実は、選考委員評は散々でしたが、候補作は出版社が選ぶため、出版社のイチオシということですね)。著者の詳細は、こちら。
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◆有川浩『県庁おもてなし課』(角川文庫)
高知県出身の著者(「ひろ」と読み女性です)が、高知県に実在する「おもてなし課」をもとに描いた高知県応援の観光エンタメ小説。いつまでたっても「ひろし」と読まれ男と誤解されてきたためか(実は違うようで)、昨年「浩」から「ひろ」に表記変更しています。著者詳細は、こちら。
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◆奥田英朗『我が家の問題』(集英社文庫)
精神科医・伊良部シリーズ3部作(『イン・ザ・プール』『空中ブランコ』『町長選挙』)の2作目で直木賞を受賞した著者は、実は短篇&家族小説の名手でもあります。平成の家族シリーズ『家日和』『我が家の問題』『我が家のヒミツ』は、いずれも面白さ・味わい深さは折り紙付き。著者については、詳しくはこちら。
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◆佐伯泰英『居眠り磐音 奈緒と磐音』『居眠り磐音 武士の賦』(双葉社文庫)
『居眠り磐音』は2002年から発行され2016年に完結した全51巻の時代小説。この2冊は外伝。著者は今では時代小説の売れっ子作家ですが、実はスペインに3年滞在し、スペインを舞台にした作品など20年ほど書き続けるが売れなかったため、57歳で時代小説に転身してブレイクした経歴の持ち主なのです。詳しくは、こちら。
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◆橋田寿賀子『渡る老後に鬼はなし』(朝日新書)
代表作のTVドラマ『渡る世間は鬼ばかり』になぞらえて名付けた著者の終活本。「葬儀なし・名誉欲なし・仕事なし・友なし・親なし・恋愛なし・夫なし・親戚なし・子なし、そして後悔なし」(これ章のタイトルそのままです)。何もないが一番幸せと説きます。著者詳細は、こちら。
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◆樹木希林『一切なりゆき』(幻冬舎新書)
いわずと知れた樹木希林の言葉を集めた2019年のベストセラー。著者詳細は、こちら。娘婿の本木雅弘の主演映画『おくりびと』の原案『納棺父日記』もおすすめです(下記)。
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◆佐藤愛子『九十歳。何がめでたい』(小学館)
瀬戸内寂聴さんとともに、老いてますますさかんな愛子さま。『これでおしまい』で始まった「我が老後」のエッセイ集は7まで来ています! 著者詳細は、こちら。
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◆徳留佳之『お墓に入りたくない人 入れない人のために』(はまの出版)
サブタイトルは、散骨・樹木葬・手元供養ほか『お墓』以外の全ガイド。だいぶ前に私が書いた本ですが、これら葬法の起源を解きあかしているため、その本質が理解できます。さわやか福祉財団理事長で弁護士の堀田力さんからは「死んでいずこにわが身を置くか。やはり自分にぴったりのところにしたい。人生最後の夢をかなえよう!」との推薦の言葉をいただきました。ただ、絶版につき、お求めは古本で、こちらから。なお、旭図書館の蔵書にはあります。
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